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審判、判定、異議申立てまとめ

今更…、ではありますが…。

特許法実用新案法意匠法商標法
拒絶査定不服審判 121条 46条 44条
補正却下不服審判 47条 45条
無効審判 123条
125条(延長登録無効審判)
37条 48条 46条
訂正審判 126条
取消審判 50条
51条
52条の2
53条
53条の2
判定 71条 26条(特許法準用) 25条 28条
異議申立て 43条の2

判定の内容は次の通り。

  • 特許発明の技術的範囲(特71条)
  • 登録実用新案の技術的範囲(実26条)
  • 登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲(意25条)
  • 商標権の効力(商28条、商68条3項(準用))

審判、判定、異議申立ての件数は、特許行政年次報告書2012年版の総括統計で見ることができます。

判定制度については、特許庁の判定制度についてに詳しく書かれています。

独立特許要件(特126条7項)

平成23年改正で、特許法第126条「訂正審判」は、訂正審判の請求の単位に関する規定が新たに設けられ、条文としては、3項と4項が旧第3項の前に追加されました。このため独立特許要件が第5項から第7項に移動しました。

独立特許要件は次のように規定されています。

第126条 (訂正審判)

1特許権者は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすることについて訂正審判を請求することができる。

ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。

1
特許請求の範囲の減縮
2
誤記又は誤訳の訂正
3,4
省略

7第1項ただし書第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。

これはどういうことのなのだろう…。ということで、とりあえず青本を参照…。

七項は特許請求の範囲を減縮した(一項一号)後の発明又は誤記若しくは誤訳の訂正をした(一項二号)後の発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない旨を規定したものであるが、当然のことである。

仮に独立して特許を受けることができない部分のみが訂正後に残ったとしても、それは一二八条の規定により訂正後における明細書又は図面により特許出願がなされたものとみなされ、その特許出願の内容は瑕疵があるということで無効審判を請求されることになる。

なんと、当然のことでした。念のため、特128条も下に掲載します。

第128条 (訂正審判)

願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の審決が確定したときは、その訂正後における明細書、特許請求の範囲又は図面により特許出願、出願公開、特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定の登録がされたものとみなす。

まあ、これは当たり前として、果たして、独立特許要件とは結局なんでしょう…。

ここで、特許庁の特許・実用新案審査基準を見てみます。これの第9部 審査の進め方に独立特許要件について詳しく書かれています。これの12ページ目に、こう書いてあります。

ここで、限定的減縮の補正がなされた請求項に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるか否かの判断において適用する規定は、以下のものに限ることとする。

第29条、第29条の2、第32条、第36条第4項第1号又は第6項(第4号は除く)、第39条第1項から第4項

ふーむ、なるほど…。

とはいえ、じゃあ、なぜそういう規定があるのかは…? あとは、こちらのブログを読み深めようと思います…。→独立特許要件(特許法第126条第5項)について考えてみた | what’s the 446?


なお、特許無効審判における訂正の請求の場合に準用があります。

第134条の2 (特許無効審判における訂正の請求)

9第126条《訂正審判》第4項から第8項まで、第127条《訂正審判》第128条《訂正審判》第131条《審判請求の方式》第1項、第3項及び第4項、第131条の2《審判請求書の補正》第1項、第132条《共同審判》第3項及び第4項並びに第133条《方式に違反した場合の決定による却下》第1項、第3項及び第4項の規定は、第1項の場合に準用する。この場合において、第126条《訂正審判》第7項中「第1項ただし書第1号又は第2号」とあるのは、「特許無効審判の請求がされていない請求項に係る第1項ただし書第1号又は第2号」と読み替えるものとする。

特許無効審判の請求がされている請求項は独立特許要件の検討対象からは外されているようです…。

料理のレシピって特許になるの?

以前「料理のレシピって特許になるの?」という質問をされて「聞いたこと無いかも…、なにか進歩性が認められればあるかも…」なんていう、ごにょった回答をしてしまいましたが、結論から言えば、レシピも特許になります。

例えば、IPDL(特許電子図書館)で、「日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社」を検索すると、特許が22件見つかりました。その内の一つ、「ピザクラストの製造方法」を取り上げてみます。

出願番号は特許出願2003-64757、公開番号は特許公開2004-267145、特許4279013であるこの特許です。確かにレシピといえばレシピ、けれど、要約を見ると、「冷蔵又は冷凍後にオーブン等で再焼成しても、ピザクラストの周縁部が硬くなることがなく、歯切れのよい、クリスピーな食感を有するピザクラストの製造方法を提供する。」と書かれています。

特許の要件として進歩性というものがありますが、単純においしいとか、見た目が綺麗といったような、主観によるものではだめで、客観的に見て進歩性が認められなければ、特許にはなりません。上記特許では、単純にオーブンで再焼成すると周縁部が硬くなるという課題があって、それを解決したんだよということを言っています。たしかに、これは、調理工程に工夫をしていそうですね。この工夫が、今までになかった新しい工夫なのでしょう。

特許の種類は、物自体の特許、物を生産する方法の特許、方法の特許(ビジネス方法とか)の3種類あって、レシピの場合は2番目の物を生産する方法に該当します。そう考えると、レシピというと若干違和感がありますが、食品製造会社では、様々な食品の製造の方法が特許になっているのですね

余談ですが、「コカ・コーラ」の作り方は特許をとってないのは有名な話ですね。特許を取ろうとすると、製造方法が開示されてしまうので、秘密にしておきたいものはあえて特許を取らず、営業秘密にするという手法もあります。この場合は、不正競争防止法で対処されますが、不競法の場合は、販売開始から3年までしか保護対象となっていないので、その辺注意なのです。

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