料理のレシピって特許になるの?
2012-11-15特許法
以前「料理のレシピって特許になるの?」という質問をされて「聞いたこと無いかも…、なにか進歩性が認められればあるかも…」なんていう、ごにょった回答をしてしまいましたが、結論から言えば、レシピも特許になります。
例えば、IPDL(特許電子図書館)で、「日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社」を検索すると、特許が22件見つかりました。その内の一つ、「ピザクラストの製造方法」を取り上げてみます。
出願番号は特許出願2003-64757、公開番号は特許公開2004-267145、特許4279013であるこの特許です。確かにレシピといえばレシピ、けれど、要約を見ると、「冷蔵又は冷凍後にオーブン等で再焼成しても、ピザクラストの周縁部が硬くなることがなく、歯切れのよい、クリスピーな食感を有するピザクラストの製造方法を提供する。」と書かれています。
特許の要件として進歩性というものがありますが、単純においしいとか、見た目が綺麗といったような、主観によるものではだめで、客観的に見て進歩性が認められなければ、特許にはなりません。上記特許では、単純にオーブンで再焼成すると周縁部が硬くなるという課題があって、それを解決したんだよということを言っています。たしかに、これは、調理工程に工夫をしていそうですね。この工夫が、今までになかった新しい工夫なのでしょう。
特許の種類は、物自体の特許、物を生産する方法の特許、方法の特許(ビジネス方法とか)の3種類あって、レシピの場合は2番目の物を生産する方法に該当します。そう考えると、レシピというと若干違和感がありますが、食品製造会社では、様々な食品の製造の方法が特許になっているのですね
余談ですが、「コカ・コーラ」の作り方は特許をとってないのは有名な話ですね。特許を取ろうとすると、製造方法が開示されてしまうので、秘密にしておきたいものはあえて特許を取らず、営業秘密にするという手法もあります。この場合は、不正競争防止法で対処されますが、不競法の場合は、販売開始から3年までしか保護対象となっていないので、その辺注意なのです。