特許法 第一章 総則 その2(特18~28)

第十八条(手続の却下)

1
特許庁長官は、第十七条第三項の規定により手続の補正をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又は特許権の設定の登録を受ける者が第百八条第一項に規定する期間内に特許料を納付しないときは、その手続を却下することができる。

2
特許庁長官は、第十七条第三項の規定により第百九十五条第三項の規定による手数料の納付をすべきことを命じた特許出願人が第十七条第三項の規定により指定した期間内にその手数料の納付をしないときは、当該特許出願を却下することができる。


第十八条の二(不適法な手続の却下)

1
特許庁長官は、不適法な手続であつて、その補正をすることができないものについては、その手続を却下するものとする。

2
前項の規定により却下しようとするときは、手続をした者に対し、その理由を通知し、相当の期間を指定して、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出する機会を与えなければならない。


(願書等の提出の効力発生時期)

願書又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により特許庁に提出する書類その他の物件であつてその提出の期間が定められているものを郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号。以下この条において「信書便法」という。)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)の役務であつて経済産業省令で定めるものにより提出した場合において、その願書又は物件を日本郵便株式会社の営業所(郵便の業務を行うものに限る。)に差し出した日時を郵便物の受領証により証明したときはその日時に、その郵便物又は信書便法第二条第三項に規定する信書便物(以下この条において「信書便物」という。)の通信日付印により表示された日時が明瞭であるときはその日時に、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日時のうち日のみが明瞭であつて時刻が明瞭でないときは表示された日の午後十二時に、その願書又は物件は、特許庁に到達したものとみなす。


第二十条(手続の効力の承継)

特許権その他特許に関する権利についてした手続の効力は、その特許権その他特許に関する権利の承継人にも、及ぶものとする。


第二十一条(手続の続行)

特許庁長官又は審判長は、特許庁に事件が係属している場合において、特許権その他特許に関する権利の移転があつたときは、特許権その他特許に関する権利の承継人に対し、その事件に関する手続を続行することができる。


第二十二条(手続の中断又は中止)

1
特許庁長官又は審判官は、決定、査定又は審決の謄本の送達後に中断した手続の受継の申立について、受継を許すかどうかの決定をしなければならない。

2
前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を附さなければならない。


第二十三条(手続の中断又は中止)

1
特許庁長官又は審判官は、中断した審査、審判又は再審の手続を受け継ぐべき者が受継を怠つたときは、申立てにより又は職権で、相当の期間を指定して、受継を命じなければならない。

2
特許庁長官又は審判官は、前項の規定により指定した期間内に受継がないときは、その期間の経過の日に受継があつたものとみなすことができる。

3
特許庁長官又は審判長は、前項の規定により受継があつたものとみなしたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。


(手続の中断又は中止)

民事訴訟法第百二十四条(第一項第六号を除く。)、第百二十六条、第百二十七条、第百二十八条第一項、第百三十条、第百三十一条及び第百三十二条第二項(訴訟手続の中断及び中止)の規定は、審査、審判又は再審の手続に準用する。この場合において、同法第百二十四条第二項中「訴訟代理人」とあるのは「審査、審判又は再審の委任による代理人」と、同法第百二十七条中「裁判所」とあるのは「特許庁長官又は審判長」と、同法第百二十八条第一項及び第百三十一条中「裁判所」とあるのは「特許庁長官又は審判官」と、同法第百三十条中「裁判所」とあるのは「特許庁」と読み替えるものとする。


第二十五条(外国人の権利の享有)

日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない外国人は、次の各号の一に該当する場合を除き、特許権その他特許に関する権利を享有することができない。

1
その者の属する国において、日本国民に対しその国民と同一の条件により特許権その他特許に関する権利の享有を認めているとき。
2
その者の属する国において、日本国がその国民に対し特許権その他特許に関する権利の享有を認める場合には日本国民に対しその国民と同一の条件により特許権その他特許に関する権利の享有を認めることとしているとき。
3
条約に別段の定があるとき。


第二十六条(条約の効力)

特許に関し条約に別段の定があるときは、その規定による。


第二十七条(特許原簿への登録)

1
次に掲げる事項は、特許庁に備える特許原簿に登録する。

1
特許権の設定、存続期間の延長、移転、信託による変更、消滅、回復又は処分の制限
2
専用実施権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限
3
特許権又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅又は処分の制限
4
仮専用実施権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限

2
特許原簿は、その全部又は一部を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録して置くことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。

3
この法律に規定するもののほか、登録に関して必要な事項は、政令で定める。


第二十八条(特許証の交付)

1
特許庁長官は、特許権の設定の登録があつたとき、第七十四条第一項の規定による請求に基づく特許権の移転の登録があつたとき、又は願書に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは図面の訂正をすべき旨の審決が確定した場合において、その登録があつたときは、特許権者に対し、特許証を交付する。

2
特許証の再交付については、経済産業省令で定める。


特許法 第一章 総則 その2(特17~17の4)

17条から17条の4は補正に関する規定が置かれていますが、17条は総則で、17条の2から4が特則となります。ですので、このページも、17条の2から見ることにします。

第十七条の二(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)

1
特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。

ただし、第五十条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。

1
第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
2
拒絶理由通知を受けた後第四十八条の七の規定による通知を受けた場合において、同条の規定により指定された期間内にするとき。
3
拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
4
拒絶査定不服審判を請求する場合において、その審判の請求と同時にするとき。

願書に添付した明・請・図は、特許査定謄本送達前までは補正をすることができますが、拒絶理由の通知を受けた場合は期間が制約されます。すなわち、最初の拒絶理由通知を受け取ったときは指定された期間内に、最後の拒絶理由通知を受けた場合は指定された期間内に、もしくは、拒絶査定不服審判を請求する場合は、その審判の請求と同時にするときのみ、補正することが可能です。


2
第三十六条の二第二項の外国語書面出願の出願人が、誤訳の訂正を目的として、前項の規定により明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、その理由を記載した誤訳訂正書を提出しなければならない。

外国語書面出願の場合は、「誤訳の訂正」が目的の補正と、そうでない一般の補正があります。誤訳訂正書を提出した場合は、訂正できる範囲が一般と異なります。


3
第一項の規定により明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、誤訳訂正書を提出してする場合を除き、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第六項の規定により明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)。第三十四条の二第一項及び第三十四条の三第一項において同じ。)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。

第1項の規定による場合は、願書に最初に記載した範囲内で補正を行う必要がありますが、
外国語書面出願の場合は翻訳文もしくは誤訳訂正後の翻訳文又は補正後の明・請・図に記載した事項内で補正を行うことができます。


4
前項に規定するもののほか、第一項各号に掲げる場合において特許請求の範囲について補正をするときは、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、第三十七条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。

特許請求の範囲の補正をする場合は、特許請求の範囲で特定される発明が、補正前と補正後で単一性を満たさなければならないという縛りがあります。
この規定がないと、技術的特徴が異なる2つの発明について審査官の判断を受けることが可能となってしまいます。

また、第1項各号に掲げる場合において、なので、最初の拒絶理由を受ける前はこの規定は適用されません。


5
前二項に規定するもののほか、第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶理由通知と併せて第五十条の二の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。

1
第三十六条第五項に規定する請求項の削除
2
特許請求の範囲の減縮(第三十六条第五項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
3
誤記の訂正
4
明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)

50条の2の通知を受けた場合の最初の拒絶理由通知を受けた時、最後の拒絶理由を受けた時、または拒絶査定不服審判と同時に補正を行うときは、補正できる内容が制限されます。


6
第百二十六条第七項の規定は、前項第二号の場合に準用する。


第十七条の三(要約書の補正)

特許出願人は、特許出願の日(第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、同項に規定する先の出願の日、第四十三条第一項又は第四十三条の二第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、最初の出願若しくはパリ条約(千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約をいう。以下同じ。)第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願又は同条A(2)の規定により最初の出願と認められた出願の日、第四十一条第一項、第四十三条第一項又は第四十三条の二第一項若しくは第二項の規定による二以上の優先権の主張を伴う特許出願にあつては、当該優先権の主張の基礎とした出願の日のうち最先の日。第三十六条の二第二項本文及び第六十四条第一項において同じ。)から一年三月以内(出願公開の請求があつた後を除く。)に限り、願書に添付した要約書について補正をすることができる。

要約書の補正ができる時期を定めたものです。出願公開が特許出願後1年6月後に行われるので、出願公開の準備も考慮して、特許出願の1年3月前まで明細書の補正を行う必要があります。また、優先権主張を伴う場合は基礎出願で最先の日が出願公開の基準となるので、その日から1年3月がカウントされます。


第十七条の四(訂正に係る明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)

1
特許無効審判の被請求人は、第百三十四条第一項若しくは第二項、第百三十四条の二第五項、第百三十四条の三、第百五十三条第二項又は第百六十四条の二第二項の規定により指定された期間内に限り、第百三十四条の二第一項の訂正の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。

2
訂正審判の請求人は、第百五十六条第一項の規定による通知がある前(同条第三項の規定による審理の再開がされた場合にあつては、その後更に同条第一項の規定による通知がある前)に限り、訂正審判の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。

それぞれ、特許無効審判の訂正の請求書に添付した明・請・図、訂正審判の請求書に添付した明・請・図を補正できる時期について規定したものです。
無効理由の補正など、請求書自体の補正については17条に従います。


第十七条(手続の補正)

1
手続をした者は、事件が特許庁に係属している場合に限り、その補正をすることができる。

ただし、次条から第十七条の四までの規定により補正をすることができる場合を除き、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面若しくは要約書又は第百三十四条の二第一項の訂正若しくは訂正審判の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲若しくは図面について補正をすることができない。

明・請・図の補正については17条の2乃至4までに規定する旨が書かれています。


2
第三十六条の二第二項の外国語書面出願の出願人は、前項本文の規定にかかわらず、同条第一項の外国語書面及び外国語要約書面について補正をすることができない。

外国語書面出願については、翻訳文の補正は可能であるものの、外国語書面と外国語要約書面については、例外なく補正することができません。
出願日における発明の内容を記載した書面としての位置付けを有するものであり、その後の補正により記載内容が変更されることは適当ではないからという理由によるものです。


3
特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。

1
手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
2
手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
3
手続について第百九十五条第一項から第三項までの規定により納付すべき手数料を納付しないとき。


4
手続の補正(手数料の納付を除く。)をするには、次条第二項に規定する場合を除き、手続補正書を提出しなければならない。

手数料の納付を除き、17条の2第2項によるものは誤訳訂正書を提出しますが、それ以外は手続補正書を提出します。


特許法 第一章 総則 その1(特1~16)

第一条(目的)

この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。


第二条(定義)

1
この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。

2
この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。

3
この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。

1
物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
2
方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為
3
物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為

4
この法律で「プログラム等」とは、プログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この項において同じ。)その他電子計算機による処理の用に供する情報であつてプログラムに準ずるものをいう。


第三条(期間の計算)

1
この法律又はこの法律に基く命令の規定による期間の計算は、次の規定による。

1
期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
2
期間を定めるのに月又は年をもつてしたときは、暦に従う。月又は年の始から期間を起算しないときは、その期間は、最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

2
特許出願、請求その他特許に関する手続(以下単に「手続」という。)についての期間の末日が行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十一号)第一条第一項各号に掲げる日に当たるときは、その日の翌日をもつてその期間の末日とする。


第四条(期間の延長等)

特許庁長官は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、請求により又は職権で、第四十六条の二第一項第三号、第百八条第一項、第百二十一条第一項又は第百七十三条第一項に規定する期間を延長することができる。


第五条(期間の延長等)

1
特許庁長官、審判長又は審査官は、この法律の規定により手続をすべき期間を指定したときは、請求により又は職権で、その期間を延長することができる。

2
審判長は、この法律の規定により期日を指定したときは、請求により又は職権で、その期日を変更することができる。


第六条(法人でない社団等の手続をする能力)

1
法人でない社団又は財団であつて、代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において次に掲げる手続をすることができる。

1
出願審査の請求をすること。
2
特許無効審判又は延長登録無効審判を請求すること。
3
第百七十一条第一項の規定により特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決に対する再審を請求すること。

2
法人でない社団又は財団であつて、代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決に対する再審を請求されることができる。


第七条(未成年者、成年被後見人等の手続をする能力)

1
未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、手続をすることができない。

ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができるときは、この限りでない。

2
被保佐人が手続をするには、保佐人の同意を得なければならない。

3
法定代理人が手続をするには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。

4
被保佐人又は法定代理人が、相手方が請求した審判又は再審について手続をするときは、前二項の規定は、適用しない。


第八条(在外者の特許管理人)

1
日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。)は、政令で定める場合を除き、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(以下「特許管理人」という。)によらなければ、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。

2
特許管理人は、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理する。

ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、この限りでない。


第九条(代理権の範囲)

日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有する者であつて手続をするものの委任による代理人は、特別の授権を得なければ、特許出願の変更、放棄若しくは取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請若しくは申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張若しくはその取下げ、第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求、特許権の放棄又は復代理人の選任をすることができない。


第十条(代理権の範囲)

削除


第十一条(代理権の不消滅)

手続をする者の委任による代理人の代理権は、本人の死亡若しくは本人である法人の合併による消滅、本人である受託者の信託に関する任務の終了又は法定代理人の死亡若しくはその代理権の変更若しくは消滅によつては、消滅しない。


第十二条(代理人の個別代理)

手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては、各人が本人を代理する。


第十三条(代理人の改任等)

1
特許庁長官又は審判長は、手続をする者がその手続をするのに適当でないと認めるときは、代理人により手続をすべきことを命ずることができる。

2
特許庁長官又は審判長は、手続をする者の代理人がその手続をするのに適当でないと認めるときは、その改任を命ずることができる。

3
特許庁長官又は審判長は、前二項の場合において、弁理士を代理人とすべきことを命ずることができる。

4
特許庁長官又は審判長は、第一項又は第二項の規定による命令をした後に第一項の手続をする者又は第二項の代理人が特許庁に対してした手続を却下することができる。


第十四条(複数当事者の相互代表)

二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求並びに拒絶査定不服審判の請求以外の手続については、各人が全員を代表するものとする。

ただし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、この限りでない。


(在外者の裁判籍)

在外者の特許権その他特許に関する権利については、特許管理人があるときはその住所又は居所をもつて、特許管理人がないときは特許庁の所在地をもつて民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第五条第四号の財産の所在地とみなす。


第十六条(手続をする能力がない場合の追認)

1
未成年者(独立して法律行為をすることができる者を除く。)又は成年被後見人がした手続は、法定代理人(本人が手続をする能力を取得したときは、本人)が追認することができる。

2
代理権がない者がした手続は、手続をする能力がある本人又は法定代理人が追認することができる。

3
被保佐人が保佐人の同意を得ないでした手続は、被保佐人が保佐人の同意を得て追認することができる。

4
後見監督人がある場合において法定代理人がその同意を得ないでした手続は、後見監督人の同意を得た法定代理人又は手続をする能力を取得した本人が追認することができる。