特許法 第六章 審判 その3(特136~144の2)


第百三十六条(審判の合議制)

1
審判は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。

2
前項の合議体の合議は、過半数により決する。

3
審判官の資格は、政令で定める。


第百三十七条(審判官の指定)

1
特許庁長官は、各審判事件(第百六十二条の規定により審査官がその請求を審査する審判事件にあつては、第百六十四条第三項の規定による報告があつたものに限る。)について前条第一項の合議体を構成すべき審判官を指定しなければならない。

2
特許庁長官は、前項の規定により指定した審判官のうち審判に関与することに故障がある者があるときは、
その指定を解いて他の審判官をもつてこれを補充しなければならない。


第百三十八条(審判長)

1
特許庁長官は、前条第一項の規定により指定した審判官のうち一人を審判長として指定しなければならない。

2
審判長は、その審判事件に関する事務を総理する。


第百三十九条(審判官の除斥)

審判官は、次の各号のいずれかに該当するときは、その職務の執行から除斥される。

1
審判官又はその配偶者若しくは配偶者であつた者が事件の当事者若しくは参加人であるとき又はあつたとき。
2
審判官が事件の当事者若しくは参加人の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき又はあつたとき。
3
審判官が事件の当事者又は参加人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
4
審判官が事件について証人又は鑑定人となつたとき。
5
審判官が事件について当事者若しくは参加人の代理人であるとき又はあつたとき。
6
審判官が事件について不服を申し立てられた査定に審査官として関与したとき。
7
審判官が事件について直接の利害関係を有するとき。

第百四十条(審判官の除斥)

前条に規定する除斥の原因があるときは、当事者又は参加人は、除斥の申立をすることができる。


第百四十一条(審判官の忌避)

1
審判官について審判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者又は参加人は、これを忌避することができる。

1
当事者又は参加人は、事件について審判官に対し書面又は口頭をもつて陳述をした後は、審判官を忌避することができない。

ただし、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。


第百四十二条(除斥又は忌避の申立の方式)

1
除斥又は忌避の申立をする者は、その原因を記載した書面を特許庁長官に提出しなければならない。

ただし、口頭審理においては、口頭をもつてすることができる。

1
除斥又は忌避の原因は、前項の申立をした日から三日以内に疎明しなければならない。

前条第二項ただし書の事実も、同様とする。


第百四十三条(除斥又は忌避の申立についての決定)

1
除斥又は忌避の申立があつたときは、その申立に係る審判官以外の審判官が審判により決定をする。

ただし、その申立に係る審判官は、意見を述べることができる。

2
前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を附さなければならない。

3
第一項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。


第百四十四条(除斥又は忌避の申立についての決定)

除斥又は忌避の申立があつたときは、その申立についての決定があるまで審判手続を中止しなければならない。

ただし、急速を要する行為については、この限りでない。


第百四十四条の二(審判書記官)

1
特許庁長官は、各審判事件(第百六十二条の規定により審査官がその請求を審査する審判事件にあつては、第百六十四条第三項の規定による報告があつたものに限る。)について審判書記官を指定しなければならない。

2
審判書記官の資格は、政令で定める。

3
特許庁長官は、第一項の規定により指定した審判書記官が審判に関与することに故障があるときは、その指定を解いて他の審判書記官を指定しなければならない。

4
審判書記官は、審判事件に関し、調書の作成及び送達に関する事務を行うほか、審判長の命を受けて、その他の事務を行う。

5
第百三十九条(第六号を除く。)及び第百四十条から前条までの規定は、審判書記官に準用する。

この場合において、除斥又は忌避の申立てに係る審判書記官は、除斥又は忌避についての審判に関与することができない。

特許法 第六章 審判 その2(特131~135)

第百三十一条(審判請求の方式)

1
審判を請求する者は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。

1
当事者及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
2
審判事件の表示
3
請求の趣旨及びその理由

2
特許無効審判を請求する場合における前項第三号に掲げる請求の理由は、特許を無効にする根拠となる事実を具体的に特定し、かつ、立証を要する事実ごとに証拠との関係を記載したものでなければならない。

3
訂正審判を請求する場合における第一項第三号に掲げる請求の趣旨及びその理由は、経済産業省令で定めるところにより記載したものでなければならない。

4
訂正審判を請求するときは、請求書に訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面を添付しなければならない。


第百三十一条の二(審判請求書の補正)

1
前条第一項の規定により提出した請求書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。

ただし、当該補正が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

1
特許無効審判以外の審判を請求する場合における前条第一項第三号に掲げる請求の理由についてされるとき。
2
次項の規定による審判長の許可があつたものであるとき。
3
第百三十三条第一項(第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)の規定により、当該請求書について補正をすべきことを命じられた場合において、当該命じられた事項についてされるとき。

2
審判長は、特許無効審判を請求する場合における前条第一項第三号に掲げる請求の理由の補正がその要旨を変更するものである場合において、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであり、かつ、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めるときは、決定をもつて、当該補正を許可することができる。

1
当該特許無効審判において第百三十四条の二第一項の訂正の請求があり、その訂正の請求により請求の理由を補正する必要が生じたこと。
2
前号に掲げるもののほか当該補正に係る請求の理由を審判請求時の請求書に記載しなかつたことにつき合理的な理由があり、被請求人が当該補正に同意したこと。

3
前項の補正の許可は、その補正に係る手続補正書が第百三十四条第一項の規定による請求書の副本の送達の前に提出されたときは、これをすることができない。

4
第二項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。


第百三十二条(共同審判)

1
同一の特許権について特許無効審判又は延長登録無効審判を請求する者が二人以上あるときは、これらの者は、共同して審判を請求することができる。

2
共有に係る特許権について特許権者に対し審判を請求するときは、共有者の全員を被請求人として請求しなければならない。

3
特許権又は特許を受ける権利の共有者がその共有に係る権利について審判を請求するときは、共有者の全員が共同して請求しなければならない。

4
第一項若しくは前項の規定により審判を請求した者又は第二項の規定により審判を請求された者の一人について、審判手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。


第百三十三条(方式に違反した場合の決定による却下)

1
審判長は、請求書が第百三十一条の規定に違反しているときは、請求人に対し、相当の期間を指定して、請求書について補正をすべきことを命じなければならない。

2
審判長は、前項に規定する場合を除き、審判事件に係る手続について、次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、その補正をすべきことを命ずることができる。

1
手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
2
手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
3
手続について第百九十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料を納付しないとき。

3
審判長は、前二項の規定により、審判事件に係る手続について、その補正をすべきことを命じた者がこれらの規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又はその補正が第百三十一条の二第一項の規定に違反するときは、決定をもつてその手続を却下することができる。

4
前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。


第百三十三条の二(不適法な手続の却下)

1
審判長は、審判事件に係る手続(審判の請求を除く。)において、不適法な手続であつてその補正をすることができないものについては、決定をもつてその手続を却下することができる。

2
前項の規定により却下しようとするときは、手続をした者に対し、その理由を通知し、相当の期間を指定して、弁明書を提出する機会を与えなければならない。

3
第一項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。


第百三十四条(答弁書の提出等)

1
審判長は、審判の請求があつたときは、請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。

2
審判長は、第百三十一条の二第二項の規定により請求書の補正を許可するときは、その補正に係る手続補正書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。

ただし、被請求人に答弁書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるときは、この限りでない。

3
審判長は、第一項又は前項本文の答弁書を受理したときは、その副本を請求人に送達しなければならない。

4
審判長は、審判に関し、当事者及び参加人を審尋することができる。


第百三十四条の二(特許無効審判における訂正の請求)

1
特許無効審判の被請求人は、前条第一項若しくは第二項、次条、第百五十三条第二項又は第百六十四条の二第二項の規定により指定された期間内に限り、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求することができる。

ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。

1
特許請求の範囲の減縮
2
誤記又は誤訳の訂正
3
明瞭でない記載の釈明
4
他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。

2
二以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合には、請求項ごとに前項の訂正の請求をすることができる。

ただし、特許無効審判が請求項ごとに請求された場合にあつては、請求項ごとに同項の訂正の請求をしなければならない。

3
前項の場合において、当該請求項の中に一群の請求項があるときは、当該一群の請求項ごとに当該請求をしなければならない。

4
審判長は、第一項の訂正の請求書及びこれに添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面を受理したときは、これらの副本を請求人に送達しなければならない。

5
審判官は、第一項の訂正の請求が同項ただし書各号に掲げる事項を目的とせず、又は第九項において読み替えて準用する第百二十六条第五項から第七項までの規定に適合しないことについて、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。

この場合において、当該理由により訂正の請求を認めないときは、審判長は、審理の結果を当事者及び参加人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えなければならない。

6
第一項の訂正の請求がされた場合において、その審判事件において先にした訂正の請求があるときは、当該先の請求は、取り下げられたものとみなす。

7
第一項の訂正の請求は、同項の訂正の請求書に添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について第十七条の四第一項の補正をすることができる期間内に限り、取り下げることができる。この場合において、第一項の訂正の請求を第二項又は第三項の規定により請求項ごとに又は一群の請求項ごとにしたときは、その全ての請求を取り下げなければならない。

8
第百五十五条第三項の規定により特許無効審判の請求が請求項ごとに取り下げられたときは、第一項の訂正の請求は、当該請求項ごとに取り下げられたものとみなし、特許無効審判の審判事件に係る全ての請求が取り下げられたときは、当該審判事件に係る同項の訂正の請求は、全て取り下げられたものとみなす。

9

  • 第百二十六条第四項から第八項まで、
  • 第百二十七条、
  • 第百二十八条、
  • 第百三十一条第一項、第三項及び第四項、
  • 第百三十一条の二第一項、
  • 第百三十二条第三項及び
  • 第四項並びに第百三十三条第一項、第三項及び第四項

の規定は、第一項の場合に準用する。

この場合において、第百二十六条第七項中「第一項ただし書第一号又は第二号」とあるのは、「特許無効審判の請求がされていない請求項に係る第一項ただし書第一号又は第二号」と読み替えるものとする。


第百三十四条の三(取消しの判決があつた場合における訂正の請求)

審判長は、特許無効審判の審決(審判の請求に理由がないとするものに限る。)に対する第百八十一条第一項の規定による取消しの判決が確定し、同条第二項の規定により審理を開始するときは、その判決の確定の日から一週間以内に被請求人から申立てがあつた場合に限り、被請求人に対し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求するための相当の期間を指定することができる。


第百三十五条(不適法な審判請求の審決による却下)

不適法な審判の請求であつて、その補正をすることができないものについては、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができる。

特許法 第六章 審判 その1(特121~128)

特許法における審判は、拒絶査定不服審判、特許無効審判、延長登録無効審判、訂正審判の4種類である。


第百二十一条(拒絶査定不服審判)

1
拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。

2
拒絶査定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。


第百二十三条(特許無効審判)

1
特許が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。

この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。

1
その特許が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたとき。
2
その特許が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条、第三十八条又は第三十九条第一項から第四項までの規定に違反してされたとき(その特許が第三十八条の規定に違反してされた場合にあつては、第七十四条第一項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)
3
その特許が条約に違反してされたとき。
4
その特許が第三十六条第四項第一号又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたとき。
5
外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないとき。
6
その特許がその発明について特許を受ける権利を有しない者の特許出願に対してされたとき(第七十四条第一項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)
7
特許がされた後において、その特許権者が第二十五条の規定により特許権を享有することができない者になつたとき、又はその特許が条約に違反することとなつたとき。
8
その特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正が第百二十六条第一項ただし書若しくは第五項から第七項まで(第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)又は第百三十四条の二第一項ただし書の規定に違反してされたとき。

2
特許無効審判は、何人も請求することができる。

ただし、特許が前項第二号に該当すること(その特許が第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第六号に該当することを理由とするものは、当該特許に係る発明について特許を受ける権利を有する者に限り請求することができる。

3
特許無効審判は、特許権の消滅後においても、請求することができる。

4
審判長は、特許無効審判の請求があつたときは、その旨を当該特許権についての専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。


第百二十五条(特許無効審判)

特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。

ただし、特許が第百二十三条第一項第七号に該当する場合において、その特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、その特許が同号に該当するに至つた時から存在しなかつたものとみなす。


第百二十五条の二(延長登録無効審判)

1
特許権の存続期間の延長登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その延長登録を無効にすることについて延長登録無効審判を請求することができる。

1
その延長登録がその特許発明の実施に第六十七条第二項の政令で定める処分を受けることが必要であつたとは認められない場合の出願に対してされたとき。
2
その延長登録が、その特許権者又はその特許権についての専用実施権若しくは通常実施権を有する者が第六十七条第二項の政令で定める処分を受けていない場合の出願に対してされたとき。
3
その延長登録により延長された期間がその特許発明の実施をすることができなかつた期間を超えているとき。
4
その延長登録が当該特許権者でない者の出願に対してされたとき。
5
その延長登録が第六十七条の二第四項に規定する要件を満たしていない出願に対してされたとき。

2
第百二十三条第三項及び第四項の規定は、延長登録無効審判の請求について準用する。

3
延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、その延長登録による存続期間の延長は、初めからされなかつたものとみなす。

ただし、延長登録が第一項第三号に該当する場合において、その特許発明の実施をすることができなかつた期間を超える期間の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、当該超える期間について、その延長がされなかつたものとみなす。

請求人適格が条文上に示されていないが、審判請求人適格の原則は利害関係人なので、延長登録無効審判が請求できるのは利害関係人となる。何人も請求できる特許無効審判が異例といえる。


第百二十六条(訂正審判)

1
特許権者は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすることについて訂正審判を請求することができる。

ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。

1
特許請求の範囲の減縮
2
誤記又は誤訳の訂正
3
明瞭でない記載の釈明
4
他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。

2
訂正審判は、特許無効審判が特許庁に係属した時からその審決(請求項ごとに請求がされた場合にあつては、その全ての審決)が確定するまでの間は、請求することができない。

3
二以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合には、請求項ごとに第一項の規定による請求をすることができる。

この場合において、当該請求項の中に一の請求項の記載を他の請求項が引用する関係その他経済産業省令で定める関係を有する一群の請求項(以下「一群の請求項」という。)があるときは、当該一群の請求項ごとに当該請求をしなければならない。

4
願書に添付した明細書又は図面の訂正をする場合であつて、請求項ごとに第一項の規定による請求をしようとするときは、当該明細書又は図面の訂正に係る請求項の全て(前項後段の規定により一群の請求項ごとに第一項の規定による請求をする場合にあつては、当該明細書又は図面の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全て)について行わなければならない。

5
第一項の明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(同項ただし書第二号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(外国語書面出願に係る特許にあつては、外国語書面)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。

6
第一項の明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。

7
第一項ただし書第一号又は第二号に掲げる事項を目的とする訂正は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。

8
訂正審判は、特許権の消滅後においても、請求することができる。

ただし、特許が特許無効審判により無効にされた後は、この限りでない。


第百二十七条(訂正審判)

特許権者は専用実施権者、質権者又は第三十五条第一項、第七十七条第四項若しくは第七十八条第一項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、訂正審判を請求することができる。


第百二十八条(訂正審判)

願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の審決が確定したときは、その訂正後における明細書、特許請求の範囲又は図面により特許出願、出願公開、特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定の登録がされたものとみなす。