特許法 第四章 特許権 第一節 特許権 その1(特66~67の4)

特許法第4章第1節は特許権に係わる条文が規定されています。当然のことながら、権利を取得した後から権利が消滅するまでの規定です。第4章第1節は、その内容から、更に次のように分けることが出来そうです。

  • 特許権が存する期間(66条~67条の4)
  • 特許権の効力(68条~72条)
  • 特許権の移転(73条~76条)
  • 実施権(77条~94条)
  • 質権、特許権の放棄、登録の効果、通常実施権の対抗力(95条~99条)

第六十六条(特許権の設定の登録)

1
特許権は、設定の登録により発生する。

2
第百七条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の特許料の納付又はその納付の免除若しくは猶予があつたときは、特許権の設定の登録をする。

3
前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。ただし、第五号に掲げる事項については、その特許出願について出願公開がされているときは、この限りでない。

1
特許権者の氏名又は名称及び住所又は居所
2
特許出願の番号及び年月日
3
発明者の氏名及び住所又は居所
4
願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容
5
願書に添付した要約書に記載した事項
6
特許番号及び設定の登録の年月日
7
前各号に掲げるもののほか、必要な事項

4
第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約書に記載した事項を特許公報に掲載する場合に準用する。


第六十七条(存続期間)

1
特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する。

2
特許権の存続期間は、その特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であつて当該処分の目的、手続等からみて当該処分を的確に行うには相当の期間を要するものとして政令で定めるものを受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることができない期間があつたときは、五年を限度として、延長登録の出願により延長することができる。


第六十七条の二(存続期間の延長登録)

1
特許権の存続期間の延長登録の出願をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。

1
出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
2
特許番号
3
延長を求める期間(五年以下の期間に限る。)
4
前条第二項の政令で定める処分の内容

2
前項の願書には、経済産業省令で定めるところにより、延長の理由を記載した資料を添付しなければならない。

3
特許権の存続期間の延長登録の出願は、前条第二項の政令で定める処分を受けた日から政令で定める期間内にしなければならない。ただし、同条第一項に規定する特許権の存続期間の満了後は、することができない。

4
特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許権の存続期間の延長登録の出願をすることができない。

5
特許権の存続期間の延長登録の出願があつたときは、存続期間は、延長されたものとみなす。ただし、その出願について拒絶をすべき旨の査定が確定し、又は特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、この限りでない。

6
特許権の存続期間の延長登録の出願があつたときは、第一項各号に掲げる事項並びにその出願の番号及び年月日を特許公報に掲載しなければならない。


第六十七条の二の二(存続期間の延長登録)

1
特許権の存続期間の延長登録の出願をしようとする者は、第六十七条第一項に規定する特許権の存続期間の満了前六月の前日までに同条第二項の政令で定める処分を受けることができないと見込まれるときは、次に掲げる事項を記載した書面をその日までに特許庁長官に提出しなければならない。

1
出願をしようとする者の氏名又は名称及び住所又は居所
2
特許番号
3
第六十七条第二項の政令で定める処分

2
前項の規定により提出すべき書面を提出しないときは、第六十七条第一項に規定する特許権の存続期間の満了前六月以後に特許権の存続期間の延長登録の出願をすることができない。

3
第一項に規定する書面が提出されたときは、同項各号に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。


第六十七条の三(存続期間の延長登録)

1
審査官は、特許権の存続期間の延長登録の出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。

1
その特許発明の実施に第六十七条第二項の政令で定める処分を受けることが必要であつたとは認められないとき。
2
その特許権者又はその特許権についての専用実施権若しくは通常実施権を有する者が第六十七条第二項の政令で定める処分を受けていないとき。
3
その延長を求める期間がその特許発明の実施をすることができなかつた期間を超えているとき。
4
その出願をした者が当該特許権者でないとき。
5
その出願が第六十七条の二第四項に規定する要件を満たしていないとき。

2
審査官は、特許権の存続期間の延長登録の出願について拒絶の理由を発見しないときは、延長登録をすべき旨の査定をしなければならない。

3
特許権の存続期間の延長登録をすべき旨の査定又は審決があつたときは、特許権の存続期間を延長した旨の登録をする。

4
前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。

1
特許権者の氏名又は名称及び住所又は居所
2
特許番号
3
特許権の存続期間の延長登録の出願の番号及び年月日
4
延長登録の年月日
5
延長の期間
6
第六十七条第二項の政令で定める処分の内容

第六十七条の四(存続期間の延長登録)

第四十七条第一項、第四十八条、第五十条及び第五十二条の規定は、特許権の存続期間の延長登録の出願の審査について準用する。